2016/9/5 08:00

ジャッキー・チェン、アン・コーツ、リン・スタルマスター、フレデリック・ワイズマンがアカデミー名誉賞を受賞へ

governors-ball 映画芸術科学アカデミーの理事会が、アカデミー名誉賞を授与する。
今回対象となる4人は、俳優のジャッキー・チェン、映画編集者のアン・V・コーツ、キャスティング・ディレクターのリン・スタルマスター、ドキュメンタリー映画監督のフレデリック・ワイズマンだ。

映画芸術科学アカデミー会長のシェリル・ブーン・アイザックスは声明の中で、「アカデミー名誉賞は、ジャッキー・チェン、アン・コーツ、リン・スタルマスター、フレデリック・ワイズマンのような、真のパイオニアであり、同時にその技能において伝説となり得る人物に贈るために創設されました」と述べた。そして「理事会は、彼らの素晴らしい業績に栄誉を授けることを誇りに思い、11月の授賞式で皆さんを祝福するのを楽しみにしています」と続けた。

第8回ガバナーズ賞の授賞式は、ハリウッド&ハイランドセンターにあるレイ・ドルビー・ボールルームで11月12日に開催される。

香港出身のチェンと英国出身のコーツという顔ぶれは、人選に国際的な趣きを表した。映画業界はしばしば年齢に対する差別で非難されているが、ガバナーズ賞は、一般的に60歳以上の長いキャリアを評価する傾向がある。コーツは90歳、スタルマスターは87歳、ワイズマンは86歳、そして、グループ内で最も若いチェンは62歳だ。

4人のうち、唯一、コーツだけがアカデミー賞にノミネートされた経験がある。1962年の映画『アラビアのロレンス』でアカデミー編集賞を受賞したほか、4作品でもノミネートを受けた。彼女はまだ現役であり、2015年に公開された映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』でも編集の1人として活躍した。
一方、ワイズマンが最近手掛けたドキュメンタリー作品は、2015年の映画『In Jackson Heights(原題)』であり、また、チェンは現在も休むことなく活動を続けている。

映画芸術科学アカデミーは、ほんの数年前にキャスティング・ディレクター部門を新設したばかりで、スタルマスターの受賞には意義がある。だが、キャスティング・ディレクターは映画製作において非常に重要な役割であるにもかかわらず、本賞と競合するトロフィーはまだ存在しない。

今年の受賞者には、俳優の占める割合は少なかった。2015年の受賞者であるスパイク・リー、デビー・レイノルズ、ジーナ・ローランズの3人は、過去の受賞者のアンジェリーナ・ジョリーやオプラ・ウィンフリーと同様か、それ以上の知名度があった。

映画芸術科学アカデミーが独立したイベントとしてガバナーズ賞を創設した際、テレビ視聴者にとって馴染みのある人物を用意しなければならないという従来のプレッシャーを消滅させることにした。ゲストの人気は多くのメディア露出を保証するものではある。しかし、ガバナーズ賞に関しては、テレビ放送の提案を退けた。

映画芸術科学アカデミーは毎年、賞を4人まで授与できる。アカデミー名誉賞が1人もしくは2人、製作者に対して与えられるジーン・ハーショルト友愛賞とアービング・G・タルバーグ賞がそれぞれ1人ずつだ。2011年と2015年の受賞者が3人であったのを除き、一般的には、毎年4人が受賞している。

今年はやや変則的で、4人がアカデミー名誉賞を受賞した代わりに、ハーショルト友愛賞とタルバーグ賞の受賞者はいなかった。選ばれた4人は映画芸術科学アカデミーによって長きに渡る素晴らしいキャリアを認められ、おまけにダイバーシティもオファーされた。

Forbes誌の調べによると、チェンは世界で2番目に多く稼ぐ俳優だ。彼は香港の30作品以上のマーシャルアーツ映画において、主演に加え、脚本、監督、プロデュースを手掛けている。彼の出演した映画版『ラッシュアワー』、映画『シャンハイ・ヌーン』、映画『シャンハイ・ナイト』、映画『80デイズ』、映画『ベスト・キッド』、そして大ヒットしたアニメ映画『カンフー・パンダ』シリーズは、いずれも世界中の観客を魅了している。

60年に渡るキャリアを持つコーツは、『アラビアのロレンス』で最初のアカデミー賞を受賞し、映画『ベケット』、映画『エレファント・マン』、映画『ザ・シークレット・サービス』、映画『アウト・オブ・サイト』でもノミネートされた。彼女は更に、デヴィッド・リーンに加え、シドニー・ルメット(映画『オリエント急行殺人事件』)、リチャード・アッテンボロー(映画『チャーリー』)、スティーヴン・ソダーバーグ(映画『エリン・ブロコビッチ』)らと共に働いた。

スタルマスターは1950年代中盤にキャスティングの仕事を始めた。彼の200を超える映画作品には、映画『卒業』、映画『屋根の上のバイオリン弾き』、映画『ハロルドとモード/少年は虹を渡る』、映画『脱出』、映画『トッツィー』、映画『ライトスタッフ』が含まれる。彼はジョン・ヴォイトやリチャード・ドレイファス、クリストファー・リーヴ、ジョン・トラヴォルタといった俳優たちのキャリアの立ち上がりを手助けした。

画期的なドキュメンタリー映画家のワイズマンは、1967年以来、ほぼ毎年1本の割合で映画を作っている。彼の最初のドキュメンタリー映画『チチカット・フォーリーズ』は、刑事罰に問われた精神障害者を収容するブリッジウォーター州立病院の裏側を暴いたものだ。彼のその他の作品には、テレビ映画『法と秩序』、映画『DV─ドメスティック・バイオレンス』、映画『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』、映画『高校』、テレビ映画『病院』などがある。

毎年、映画芸術科学アカデミーのメンバーや業界で働く人々、そして映画ファンは名誉に値する人物のリスト作りに取り掛かる。常に4つの席に対して多すぎる名前が上がるが、長年に渡って頻繁に名前が挙げられるに値するアーティストは、ドリス・デイからジェームズ・アイヴォリー、ジャンヌ・モローまで多岐に渡る。

誰もがアカデミー賞の対象となってから数10年後となる2009年、映画芸術科学アカデミーは、ガバナーズ賞を独立したイベントとして創設した。一部の保守派は、このアイデアに反対した。しかし推進派は、テレビ放送されないイベントにすれば、より多くの受賞を可能にし(放送時間の制約による影響を受けないため)、視聴率を稼げる有名人を選出しなければならないというプレッシャーからも解放される。式典を独立させることによって、受賞者のこれまでの仕事を、2分以上かけてゆっくりと称えることが可能となる。

この試みは大成功した。2010年の式典は、ハリウッドにおける人気イベントとなった。また会場は文字通り、アカデミー賞への投票権を保有する人で埋め尽くされるため、アカデミー賞を狙う人々にとっても、見逃せない場所となった。

アカデミー賞の規則によると、ガバナーズ賞は死後の人物に投票することはできず、また現在の受賞者は対象外となる。ただし、過去の受賞者に対してはこのルールは適用されないため、2年前、宮崎駿は競争に勝っていたにも関わらず、アカデミー名誉賞を受賞した。

過去7年間の受賞者は以下の通り。

2009年:ローレン・バコール、ジョン・カレー、ロジャー・コーマン、ゴードン・ウィリス

2010年:ジャン=リュック・ゴダール、ケヴィン・ブラウンロー、フランシス・フォード・コッポラ、イーライ・ウォラック

2011年:ジェームズ・アール・ジョーンズ、ディック・スミス、オプラ・ウィンフリー

2012年:ジェフリー・カッツェンバーグ、ハル・ニーダム、D・A・ペネベイカー、ジョージ・スティーヴンス・Jr

2013年:アンジェリーナ・ジョリー、アンジェラ・ランズベリー、スティーヴ・マーティン、ピエロ・トージ

2014年:ハリー・ベラフォンテ、ジャン=クロード・カリエール、モーリン・オハラ、宮崎駿

2015年:スパイク・リー、デビー・レイノルズ、ジーナ・ローランズ


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